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ガーラ・グランディ木場不買運動

江東区東陽のガーラ・グランディ木場や赤羽橋のガーラ・プレシャス東麻布は隣接地境界スレスレの約50cmに建設する悪質な投資用ワンルームマンションです。 ガーラ・グランディ木場は休日祝日無視で作業する突貫工事です。突貫工事は建物の品質もいい加減になりがちです。 https://sites.google.com/site/boycottfjnext/ ガーラ・グランディ木場の仮囲いは粗末である。近隣住民の工事被害を防げるものになっていない。 http://akiba.geocities.jp/uchuubaka/gala.html ガーラ・グランディ木場は自然破壊である。実需とは関係なく、迷惑勧誘電話で無理やり売りつけるために自然が破壊され、醜悪なマンションが建設されることはやり切れない。 https://sites.google.com/site/boycottfjnext/nature

February 26,2012

● 『新しい道徳』携帯メール依存症は人間を壊す

藤原和博『新しい道徳』(ちくまプリマー新書)は民間人初の公立中学校長として話題を集めた人物が現代社会に即した道徳を提言する書籍である。私は道徳の書籍というものに必ずしも好印象を抱いていない。唯一絶対と信奉する価値観を一方的に押し付ける印象が強いためである。

愛国心教育が典型であるが、愛国心の押しつけを批判する側にも似たような傾向がある。教育現場を覆う管理主義は深刻な問題である。しかし、それを批判する教師側にも自己の考えのみを絶対視し、自己と他者を線引きする偏狭さが見受けられる。同じような管理主義の犠牲者の教師に対しても考えの相違する人々に対しては連帯ではなく、反動的な知事や教育委員会に対してと同じように執拗に攻撃する。

私は政策作りの市民運動に参加したことがある。そこで管理教育批判の立場から「教育の自由」という提言がなされたが、これに対して「教師に好き勝手させるような印象を与える」との反対意見が出され、「教育の自主性」に変更されたことがある。一部の人々の独善は進歩的な市民でさえも辟易させてしまう。

進歩派さえ辟易する状況である。故に「腐った公務員を何とかしてほしい」と考える多数の市民が「荒療治が必要」「病根を断つために極端な手段も正当化される」と管理教育を推進する首長を支持してしまうことも説明がつく。強権的な首長の手法に問題があっても、むしろ問題があるからこそ支持してしまう心理である(林田力「都知事選出馬の渡辺美樹・ワタミ会長の経営の評価」)。

http://www.hayariki.net/poli/tokyo.html

これに対して『新しい道徳』は価値観の多様性を前提とする。唯一絶対の正解の押しつけを否定することから出発する。それ故に著者の結論に納得する人だけでなく、著者の結論を支持しない人も一つの考え方として読む価値がある。

興味深い内容は携帯メール依存症批判である。携帯メール依存症の問題は既に様々なところで指摘されている。本書では携帯メール依存を世代間ギャップと捉えるきらいがあるが、若年層の間でも携帯メール依存症は恥ずかしく、迷惑な存在である。若年層に人気の漫画の中でも携帯メール依存症は風刺されている(林田力「空知英秋『銀魂』に見るゼロゼロ物件業者への対抗価値」PJニュース2011年11月4日)。

http://www.pjnews.net/news/794/20111103_2

この点で著者の若者観にはステレオタイプな傾向があるものの、携帯メール依存の弊害の指摘は重たい。携帯メール依存症患者は携帯メールによってつながっているという安心感が生まれる。これは幻想的なものであるが、本人にとって心理的な安心感が得られる。

これが相手の都合を無視してメールを送りつけながら、返事がないとキレるという身勝手な反応をもたらす理由である。メールは電話と異なり、非同期性が最大の特徴であるが、同期的な使用法しかしないならば愚かである(林田力「電子メールの同期性と非同期性(上)」PJニュース2010年12月16日)。

このように携帯メール依存症は携帯メールのコミュニケーションの世界でも迷惑な存在である。しかし、携帯メール依存症の弊害は携帯メールの世界にとどまらない。つながっているという幻想的な安心感によって感覚が麻痺し、いつでも質問すれば誰かが反応してくれると考えてしまう。その結果、自立心や異なる価値観に立脚する他者の話を聞く能力が失われると指摘する。

この指摘は説得的である。たとえばパソコンのメールを携帯メールの感覚で雑な文章で書いて読み手の反感を買うケースは現実にある。まさに道徳(モラル)の問題として取り上げる価値のある話である。携帯メール依存が人間を壊すことが理解できる内容であった。
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林田力の書評

↑   by 林田力 at 15:08 | comments(0)

February 24,2012

● 『権力のつかみ方』遅刻癖を切り捨てる健全性

内藤誼人『権力のつかみ方 ~人の心を虜にするJFK式「心理操作の魔術」~』(大和書房)は、ケネディ大統領の言動を手本として支持されるリーダーになるための秘訣をまとめた書籍である。ケネディの言葉を紹介するが、ケネディの心理に踏み込むよりも、ケネディを導入部にして著者の哲学を全面に出している。ケネディは……と言っているが、危険なので……がいいという箇所もあるほどである(164頁)。

内容は「遠慮するな。厚かましくあれ」などの逆説的な見出しが並び、カバー裏には「あなたの人生観を根本から覆す『変革の書』」と紹介されている。しかし、内容は意外にも真っ当なものが多い。本書は権力をつかむためのハウツー本であり、望ましい権力者像を示すものではない。それ故に権力を悪用したい人物が本書を読んで権力者を目指すことにも使える。

それでも本書の背後にある著者の道徳観念は健全である。たとえば遅刻をする人間への否定的評価は複数箇所で登場する。普段は仏様のような顔をしているという著者であるが、約束の時間を守らない人には怖い顔を見せ、怒鳴りつける(70頁)また、口では綺麗事を語る人物でも遅刻癖があれば、その事実から、これっぽっちも価値がない人物と評価する(111頁)。

本書の提言には相互に抵触しかねない内容もある。たとえば福島第一原発事故で情報隠しが批判された東京電力を反面教師として悪い情報は早く伝えるべきとする(112頁)。ところが、他の箇所では上手な嘘が付けるように日頃から準備しておくことを推奨する(118頁)。

一方では「イヤな相手に、あえて好意的に接する」ことを勧める(35頁)。他方で「苦手な人はどうしたって苦手である。そういう人と付き合うのに過剰なエネルギーを費やす必要はない」と述べる(184頁)。リーダーになる道は一つではない。本書は一つの考えだけが唯一絶対というような幼稚な愚かさとは無縁である。

本書の「まわりからよく思われていない相手を切ると、それ以外の人からの評価を高めることにもつながる」(188頁)は私にも実感がある。しかも、切った相手は遅刻の常習者で、他人の迷惑を省みない人物であった。本書の価値観と合致する。その点もあって納得できる内容が多かった。(林田力)
http://hayariki.net/hayariki2.htm

林田力の書評

↑   by 林田力 at 21:05 | comments(0)

February 11,2012

● 『サバンナゲーム』格差社会の犠牲者がヤンキーを殺害する爽快

黒井嵐輔『サバンナゲーム ~始動~』(小学館)はモバゲーの小説コーナーで人気となった作品である。バトル・アクション、現代のテクノロジーを超えた武器、ファンタジー世界の超自然的能力、歴史上の人物の活躍とエンターテイメントの数多くの要素が詰まった作品である。

主人公はワーキングプアのフリーターである。「飯を食うために働き、今を生きることに必死な日常」(6頁)を送る格差社会の犠牲者である。それが日本国中を巻き込む殺人ゲーム・サバンナゲームの開催によって、非日常の世界に突入する。

かつて赤木智弘の論文「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」が格差社会の犠牲者の心理を率直に表明したものとして反響を呼んだ。『サバンナゲーム』にも貧困や格差に苦しむ人々が絶望的な毎日から抜け出すために破壊的な事態に希望を求める心理が現れている。

『サバンナゲーム』は人殺しのゲームであり、残虐な描写も存在する。アニメ化も決定されたが、『バトルロワイヤル』に対するものと同じような道徳的な非難が寄せられかねない。救いは主人公達が序盤で殺害する敵がヤンキーであることである。ヤンキーは「いかにも不良じみた風体」(71頁)で、主人公達に絡む社会のクズ的な存在として描かれている。

主人公達にも殺しを楽しむ残虐な気持ちが芽生えるものの、相手がヤンキーであるために主人公側に感情移入できる。また、主人公側も「こいつらと同じ人種になってしまう」(77頁)と自分達を戒めており、ヤンキーとは明確に区別されている。

後半に入ると真に倒すべき敵が浮かび上がってくる。しかし、本書はタイトルに『始動』とあるように導入部で終わっている。続編に大いに期待する。(林田力)
http://www.honyaclub.com/shop/g/g12611846/

林田力の書評

↑   by 林田力 at 22:55 | comments(0) | trackbacks(0)

January 27,2012

● 『女教皇ヨハンナ』下巻

ドナ・クロス著、阪田由美子訳『女教皇ヨハンナ』はカトリックの歴史から抹殺された男装の女性教皇を主人公とした歴史小説である。カール大帝没後の不安定なフランク王国を舞台に主人公ヨハンナの誕生から物語が始まる。

ヨハンナの知性が素晴らしい。伝統的な神学ではエバはアダムを唆して楽園追放となったため、女は罪深い生き物とされる。これに対してヨハンナは、エバの勧めでリンゴを食べたアダムよりも、自らの好奇心でリンゴを食べたエバに優位性を与える。神学の土俵に乗っかった上で反論している。相手の話を聞かず自分の考えだけが唯一絶対として一方的に押し付ける愚か者の対極に位置する。

タイトルや紹介文から中世ヨーロッパの政治史を期待するが、上巻はヨハンナの少女時代に費やされ、陰謀渦巻くローマ教皇庁での権謀術数は描かれない。僅かにローマを舞台した別の物語が挿入されるが、上巻では本編との関連は謎のままである。

代わりにヨハンナのような知識欲ある女性を抑圧する中世キリスト教社会が強調される。まさに暗黒の中世である。キリスト教の思想が個人の尊厳と両性の平等を損なう家父長制の根拠として利用された実態が描かれる。

但し、キリスト教が本質的に家父長的であるというような現代人感覚での早急な断罪を下してはいない。社会の大勢にはなっていないが、主人公や良心的な学者は不合理を疑う理性も神が人間に与えたものと理性をキリスト教イデオロギーと両立させる。

中世とルネサンスは対照的に位置づけられがちであるが、近年では中世の豊かさが再評価されている。『女教皇ヨハンナ』は中世にルネサンスの思想的萌芽が存在したことを浮き彫りにする。

ようやく下巻でローマが舞台になる。教皇庁は権謀術数渦巻く場所であるが、ヨハンナに上昇志向はない。それが物語を爽やかなものにしている。対立相手も登場する。卑劣な攻撃を繰り返すが、それでも教養ある人物として描かれる。当然のことながら、悪徳不動産業者を描いた『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』とはタイプが異なる。主人公にとっての敵は特定の個人や勢力ではなく、女性を抑圧する社会であった。(林田力)
http://www12.atpages.jp/~hayariki/haya/hayariki1.htm

林田力の書評

↑   by 林田力 at 23:09 | comments(0) | trackbacks(0)

January 21,2012

● 『最後の証人』下巻はスピードアップ

金聖鍾(キム・ソンジョン)著、祖田律男訳『最後の証人』(論創社、2009年)は韓国のミステリー小説である。著者は韓国ミステリー界の巨匠的存在であるが、『最後の証人』は長編推理小説のデビュー作である。イ・ドゥヨン監督により1980年に映画化された。韓国ミステリー史上、最高傑作との評価もある。

『最後の証人』は1970年代の韓国を舞台に殺人事件の謎を明らかにする物語である。事件の背後には朝鮮戦争中の悲劇が浮かび上がる。醸造場経営者ヤン・ダルスの遺体が発見され、オ・ビョンホ刑事が事件を担当する。

朝鮮戦争の停戦から20年あまりの歳月が流れたあとにも、決して癒えることのない悲劇的な傷痕は残る。その深く巨大な悲劇の根源を直視しようとする小説である。それは絶望を覚えるものであるが、焼け野原から経済大国にしてしまう前に進むことしかできない非歴史的な発想よりも健全である。

警察の見込み捜査の罪深さが印象的である。歴史に翻弄された悲劇では片付けられない社会悪が存在する。警察の人権侵害はプライバシーを害する強引な聞き込みや証拠物の入手など主人公の刑事も例外ではない。これは現代にもつながる日本警察の欠陥であり、日本の植民地支配の負の遺産である。

下巻に入ると展開がスピードアップする。上巻までは展開が遅く、内容の重苦しさをあって退屈に感じた読者も皆無ではないだろうが、我慢して下巻まで読み進めれば報われる。最後の方になると事件は解決に向かうにも関わらず、被害者側の人間の死が相次ぐ。ここまで物語として被害者側の人間を死なせる必要があったのか、やり切れなさを感じるが、ラストを読めば物語としての完成度を実感する。(林田力)
http://hayariki.v-kei.net/
 

林田力の書評

↑   by 林田力 at 22:51 | comments(0) | trackbacks(0)

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『東急不動産だまし売り裁判』著者
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林田力(はやしだりきHayashida Riki)は漫画・ドラマ・書評・不動産・裁判・住民運動・市民運動などジャンルを問わず活動中。著書に『こうして勝った』(ロゴス社、2009年)。東京都世田谷区の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住民被害や反対住民運動を詳細に紹介し、「世田谷問題を精力的に取材されているネット・ジャーナリスト」と評される。
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