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ガーラ・グランディ木場不買運動

江東区東陽のガーラ・グランディ木場や赤羽橋のガーラ・プレシャス東麻布は隣接地境界スレスレの約50cmに建設する悪質な投資用ワンルームマンションです。 ガーラ・グランディ木場は休日祝日無視で作業する突貫工事です。突貫工事は建物の品質もいい加減になりがちです。 https://sites.google.com/site/boycottfjnext/ ガーラ・グランディ木場の仮囲いは粗末である。近隣住民の工事被害を防げるものになっていない。 http://akiba.geocities.jp/uchuubaka/gala.html ガーラ・グランディ木場は自然破壊である。実需とは関係なく、迷惑勧誘電話で無理やり売りつけるために自然が破壊され、醜悪なマンションが建設されることはやり切れない。 https://sites.google.com/site/boycottfjnext/nature

September 19,2011

● 『京ガス男女賃金差別裁判 なめたらアカンで! 女の労働』を読んで

本書は京ガス男女賃金差別裁判の原告である著者による男女差別是正の闘いの記録である。同一価値労働同一賃金原則(ペイ・エクイティ)を主張して勝利した京ガス訴訟を中心とする。
著者はガス工事会社の京ガスで働き続けたが、同じ経験や能力、仕事内容であっても、女性である著者と男性従業員との間には厳然たる賃金格差が存在した。同期入社の男性従業員と比較すると、初任給の時点で3万円余りの差があったが、年々格差が広がっていった。
1993年から1998年までの5年間の賃金の差は約635万円にも上る。この差額分を不法行為に基づく損害賠償とし、京ガスに支払いを請求したのが京ガス男女賃金差別裁判である。加えて男女差別により被った精神的苦痛に対する慰謝料も請求した。
一審・京都地裁判決は「原告が女性であることを理由とする差別」と正面から著者の主張を認めた。認容額は低かったものの、紛れもなく勝訴判決である。控訴審・大阪高裁ではジェンダーバイアスの強い裁判官に苦しめられながらも、一審判決をベースとした実質勝訴の訴訟上の和解で終結した。
本書を読むことで、裁判で闘う原告の奮闘が理解できる。とりわけ先例の乏しい分野で勝訴判決を勝ち取ることの並々ならぬ苦労が看取できる。
私も不利益事実(隣地建て替えなど)を説明されずにマンションを購入してしまい、消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判によって売買代金返還を勝ち取った経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。故に著者の奮闘には大いに共感できる。
著者の経験は労働法の分野のみならず、個人が組織を相手に裁判闘争をする上で有益な示唆が多い。著者の勝因を私の裁判経験も踏まえつつ、闘志、理論、事実の立証の三点から指摘する。
第一に闘志である。裁判は闘争である。闘争とは良くも悪くも世間に波風を立てることである。故に「自ら省(かえり)みて直(なお)くんば、千万人といえども我行かん」の心意気が求められる。
日本人は裁判を避ける傾向があるとされるが、他人の目や批判を過度に恐れる性質があるためである。これに対し、著者は「人が安易に理解することを信じていない」「批判や無理解は人生につきもの」と述解している(212頁)。たとえ孤立しても、自らの権利の救済のために裁判闘争を進めるだけの精神的強さが著者にはある。
実際のところ、京ガスとの闘争は大変なことであった。指名解雇に抗議した著者がビラ配りを始めたところ、自家用車に数十個の生卵をぶつけられるなどの嫌がらせを受けたという(18頁)。
権利侵害に対し、異議を唱えて活動することは当然の権利の筈である。しかし、正義を追求した人が反対に有形無形の嫌がらせを受けてしまうのが陰湿な日本社会の現実である。私自身、東急不動産との裁判中はマンションに怪文書を配布されるなどの被害を受けた。
通常、原告は侵害された権利を回復するために提訴する。従って裁判で主張が全面的に認められたとしても、それは失われた損害を回復するものに過ぎず、それによって利益を得ることにはならない。原告にとっては認められて当然という感覚である。しかし現実には認められるまでに膨大な時間と費用を要し、相手が組織ならば有形無形の嫌がらせまで受ける。
「正当な主張を貫くことで何故、これほどまでに苦労しなければならないのか」という著者の悲痛の思いは本書全体に一貫して流れている。この不合理への憤りには私も大いに共感する。
第二に確固たる理論の存在である。裁判の一義的な目的は法的紛争の解決である。人間の尊厳を回復するための最後の手段として裁判を選択する場合が多いものの、制度面から見た裁判の目的が法的紛争の解決にある点を忘れてはならない。
そのため依拠する法律理論が重要になる。闘志は十分にあり、同情すべき事案であるにもかかわらず、裁判では敗訴してしまう例が少なくないが、これは理論構成が不十分であった可能性が高い。
著者は同一価値労働同一賃金原則(ペイ・エクイティ)を掲げ、決して揺れなかった。著者が厳しい裁判闘争を継続できた要因として、何よりも確固たる理論的支柱を保持していたことが挙げられる。私の東急不動産との裁判でも消費者契約法(不利益事実不告知)に基づく売買契約の取消しという理論構成を貫いた。
京ガス裁判も私の裁判も一審勝訴、控訴審で訴訟上の和解という点が共通する。訴訟上の和解というのは民事訴訟法に規定された訴訟を終了させる形式の一つである。「仲直り」を意味する日常語的な和解とは全く異なる。
「訴訟上の和解」を相手方への妥協や屈服と捉えて忌避する向きもある。それは第一には日常語の和解と混同したためであり、第二にはブレない理論構成を有していない場合に無制限の妥協に陥ってしまったためである。従って、譲れない理論構成を貫き通せるならば、形式的には訴訟上の和解であろうと、胸を張って実質勝訴と宣言できる。
第三に事実の立証である。裁判は事実を法律理論に当てはめて結論を導き出すが、この事実も当事者が主張立証しなければならない。著者が同一価値労働同一賃金原則で勝訴するためには、著者の仕事が男性の仕事と同一価値労働であることを立証する必要がある。
実際のところ、これが難作業であった。「管理職男性と同等価値の仕事をしている」という事実を理解してもらえるまでは想像以上の時間を費やし、苦労したという。女性である著者の担当したガス工事の検収・清算業務は「仕事の価値が低い」という「思い込み」や「イメージ」を弁護団や支援者にも払拭してもらう必要があった(187頁)。
労働者自身が、女性の仕事の価値は男性の仕事よりも低いというイメージに惑わされている現実がある。企業側は社会的な「イメージ」や「思い込み」を操作・利用することで、骨を折らずに否定しようとする。単に「女性事務員の仕事だから」ということで、著者の主張を圧殺しようとする。
私の裁判でも、日照や眺望が阻害されたのが北側の窓であったために、東急不動産は具体的な立証をすることなく、「北側だから大した問題ではない」という態度をとった。これに対し、私は自己の物件で東急不動産(販売代理:東急リバブル)が北側の日照や眺望をセールスポイントとしていたことだけでなく、他の物件でも北向きの住戸を分譲していることを立証した。
当人にとっては分かりきったことかもしれないが、裁判では裁判官に説明する必要がある。よって、きめ細かな主張立証が必要である。一般に日本人は「以心伝心」を好み、それ故に理解されないと安易にコミュニケーションを拒絶してしまう傾向がある。この点、著者は「人が安易に理解することを信じていない」性格であるため、かえって相手の理解が得られるまで説明する、しぶとさを発揮できたのではないかと考える。
本書は男性中心の企業社会に正面から異議を唱え、人間的な労働とは何かをフェミニストの視点から伝えることを意図しているが、同時に個人が組織相手に闘うことの大変さ、不合理な現状も実感できた。これから組織と闘おうとする、又は現に組織と闘っている人にとって闘いの心構えを知ることもできる一冊である。(林田力)

林田力「『JIN-仁-完結編』第5話、クオリティ・オブ・ライフを問う医療ドラマ」リアルライブ2011年5月17日
http://npn.co.jp/article/detail/10130231/
林田力「『JIN-仁-完結編』第6話、等身大の坂本龍馬に迫る内野聖陽」リアルライブ2011年5月24日
http://npn.co.jp/article/detail/20956317/
林田力「『JIN-仁-完結編』第7話、廓言葉で花嫁を演じた中谷美紀」リアルライブ2011年5月31日
http://npn.co.jp/article/detail/92915400/
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林田力の書評

↑   by 林田力 at 21:13 | comments(0) | trackbacks(0)

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林田力
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男性
職業:
『東急不動産だまし売り裁判』著者
趣味:
読書
自己紹介:
林田力(はやしだりきHayashida Riki)は漫画・ドラマ・書評・不動産・裁判・住民運動・市民運動などジャンルを問わず活動中。著書に『こうして勝った』(ロゴス社、2009年)。東京都世田谷区の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住民被害や反対住民運動を詳細に紹介し、「世田谷問題を精力的に取材されているネット・ジャーナリスト」と評される。
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